4月の新年度から新生活を送っている学生・社会人のみなさん、進学・就職おめでとうございます!20数年前に経験した筆者も、新たなステージでの活躍を応援したくなるものです。
私も不動産屋として引越し・転勤シーズンを体験し、さまざまことを知りました。不動産屋をしていると本当にいろんなタイプのお客様が来所されます。「とりあえず〇〇円台の☐☐(広さ)を探している」「とりあえず安ければ安いほど良い」「とりあえず交通の便が良く、子供の学校に近い所があれば」「とりあえず物件資料だけもらえますか」などなど、よくよく話を聞いてみると、「実は2階はイヤだ」「真ん中の部屋は隣の生活音が気になって・・・・」「子供の一人の通学が遠くなるから・・・・」と条件が増えていき、結局収拾がつかなくなるのです。
この〝とりあえず〟はクセものなのです。〝とりあえず〟と言って、再び来所されるお客様は今回いませんでした。数軒の不動産屋を回り、同じことを申し出て合致する物件を探すのです。全然、このような回り方をしても構いません。合致する物件が見つかれば幸いです。
しかし、田舎ですべての条件を満たす物件などほぼ見つかりません。理由は簡単。居心地の良い部屋は、借主の生活環境の変化が起きない限り、空くことはないからです。加えて、このコロナ禍。企業も役所も転勤・人事異動を最小限に控え、当然不動産賃借物件は動かない。
数少ない優良物件の争奪戦となるのは必定。つまり、〝とりあえず〟ではなく〝この条件は譲れない〟で不動産屋を訪れるべきなのです。条件に合致しない物件のみの紹介なら、すぐに不動産屋を退去します。いるだけ時間のムダというものです。
この〝とりあえず〟のお客様は時間と費用を浪費して、最終的には優良物件にはたどり着かないのです。こんなお客様がいました。〝生活環境の良い場所は譲れない〟という条件でした。広さ・家賃はお客様の要望を超えていましたが、物件を案内すると、当日には内諾を得ました。後日、他の不動産屋を回ったことを明かしてくれました。
このお客様は〝生活環境の良さ〟にこだわっていました。ほかの不動産屋には、合致する条件の物件がなかったようです。だから、即決したというのです。即決日以降、この物件について何件かの問い合わせがありましたが、お断りの返事をしました。
結論は現地に合わせ新生活環境に照らして、〝これだけは譲れない〟条件を持てば必ず物件は見つかります。後は、妥協点を探れるかどうかです。すべての条件が揃うということは、滅多にないのです。物件探しは〝一期一会〟。次回は物件の賃貸借契約につき、法律の話です。
元ブンヤの不動産屋